サステイナビリティは、Audiの企業戦略の中核を担っています。エコロジカル・フットプリント(=人による生態系リソースの消費量)を減らすために。例えば、資源を責任を持って取り扱うなど、できることを継続的に取り組んでいます。目標は自己完結型循環経済ーーつまり削減し、再利用し、再循環を実現させることです。
Audiの廃水ゼロに向けての取り組み
循環経済という意欲的な目標を達成するために、生産段階からの持続可能性をAudiは考えています。まずは、すべてのAudi工場で廃水をまったく生み出さずに車両を製造すること。その手本となっているのは、メキシコのサンホセチアパス工場です。そこでは、すべての廃水が処理されてから工場の給水システムに戻され、処理後は衛生的にきれいになった水を生産に再利用したり、緑地の水やりに使ったりしています。 次のステップは、地下水の消費量をさらに節約することを目指します。
廃棄せずに修理する
再利用も循環経済の一環になります。再製造とは、使用済み部品を総点検して元の品質の部品を生産することです。 この工程と、スペアパーツ事業による再生部品の販売は、大きな付加価値を生み出し、環境面だけでなく経済的にも節約になります。デ ジタル診断方法を用いて、メカトロニクスの異常を検出や分析、修正を可能にする部品再製造プログラム”Exchange 2.0”。現在、このプログラムはトランスミッションで試験中ですが、将来的に他のスペアパーツにも拡張される予定です。
バッテリーリサイクル
2025年までに、Audiは30種類の電気自動車の提供を目指しています。これに伴い、バッテリーの必要性がますます高まります。Audiでは、これらのバッテリーの寿命をできる限り持続可能なものとするための研究に取り組むことや、Global Battery Alliance(世界バッテリー連合)の積極的なメンバーとなっています。この連合は、原料抽出の際の人権および社会的規範の擁護と、リチウムイオン電池を再利用するためのソリューション創出の両方に重点を置いています。Audiでは、このように何度も再利用できる高電圧バッテリーの部品のループ(循環)を展開するために、リサイクルメーカーUmicore(ユミコア)との研究協力なども始めています。インゴルシュタットのメイン工場では、使用済みバッテリーがこのような”セカンドライフ”を得ており、現在フォークリフト車や牽引車の電源として試験的に利用されています。 AUDI AGで生産&物流を担当するペーター・ケスラー取締役は、「すべてのリチウムイオン電池は、可能な限り最良の方法で利用されるべき、高エネルギー消費の貴重な資源だということを意味する」と述べています。このため、バッテリーの賢明な二次利用を考えるということも、Audiの電動モビリティに含まれています。
Audiでは、バッテリーハウジングにもアルミニウムを用いています。 この軽金属は、ボーキサイト(アルミニウム原鉱)から取られますが、この工程はエネルギーを大量に消費します。Audiは、資源とエネルギーを節約するために”アルミニウムクローズドループプロジェクト”を立ち上げ、端材をサプライヤーに戻してリサイクルしています。 2018年だけでも、約90,000tものCO₂に相当する排出量がこの方法で節約されました。その結果、 Audiはバッテリーハウジングの持続可能な生産に対して、Aluminium Stewardship Initiative(ASI)*から認証を受けた最初の自動車メーカーとなりました。
*サステイナビリティ向上を目的とする認証NPO
現在のアルミニウム原料使用量
%
使用量は増加中
2018年
トン
アルミニウムクローズドループプロジェクトにより9万tのCO₂に相当する排出量を節約
CO₂排出量
%
起因する排出量39%の削減に相当
これらは、Audiが循環経済の一環として原料の循環を自己完結させるべく持続可能性に注力しているほんの数例であり、それが可能であることを示しています。
循環経済へと向かっているAudi